それから息子のこと

息子は4歳くらいの頃、通っていた保育園から集団行動ができない等の指摘を受け、地域の療育センターを受診することを勧められ、ASDの診断を受けました。ADHD(注意欠如・多動症)とアスペルガーの傾向があるとの事でした。

小さい頃は買い物などに出かけるとすぐに私の手を振り払って自分の興味のある方へ走って行って迷子になったり、外食ではおとなしく座っていることができず店内をうろうろしてしまったりと、よく聞く一般的な(?)多動児でした。なので、診断が出たときはまさかという否定の気持ちよりも、やはりという納得感の方が大きかった様に思います。今は小学校生活も折り返し地点を過ぎ、多動についてはあまり目立たなくなってきた様に見えるのですが(待つことが非常に苦手でイライラしやすかったりと、心の多動はまだまだある様子です)、学年が上がるにつれ、忘れ物や持ち物の管理といった不注意から来る困り感が増してきている様に思います。

息子は今は小学校の個別支援級に在籍しており、これから卒業、中学進学に向けて、まだまだ不安が多いけれども残りの小学校生活を思い切って一般級へ転籍した方がいいのか、それとも中学から一般級に移って通級で支援を受けるか、もしくは今の様に中学校も個別支援級でスタートして交流という形で一般級で過ごす時間を増やしていくのが良いのか(私としてはこの選択を取りたいのですが、進学予定の地域の中学校ではサポートが受けられそうになく、悩み中です)いろいろ悶々としているところです。

グレーゾーン児の進路で一番悩むのは高校進学という話をよく見聞きするのですが、自分の経験から、もしかしたら息子もいつか不登校になるかも知れない、または高校に行かないという選択を自発的にか成り行きかでするかもしれないと何となく思っているため、現時点では高校のことはあまり不安を感じていない様に思います(自分が高校に行っていないのでイメージが沸かないだけかも知れませんが)。中学で支援級に行くと内申点が付かないので公立高校に行かれなくなると聞きますが、一般級で成績が取れなくても同じことになるのかなと思い、正直私としては支援級でも一般級でもどちらでも良いと考えています。

さいころから、できるだけ息子の自己肯定感を損なわないようにすることを心掛けているつもりなので(これも自分の経験から、自己肯定感の回復は可能と思いますが、いろいろと苦労すると思うので)、中学校で一般級を選択して勉強についてゆけず「自分はダメなんだ」と思ってしまったり、また支援級に在籍することになったら「自分はダメだからここにいるんだ」と受け止めてしまうことなどを避けたいと思っています。いずれにしても、中学校で3年もの時間を過ごすのですから、高校やその先の進路を考えた時に、無駄にならないような形で中学校生活を送ることができればと思います。

私と夫は二人ともきょうだいがおらず、親戚らしい親戚もあまりいないため、いわゆる「親なき後の支援」についても日々いろいろと悩んでしまっています。金銭的な意味で財産といえる様なものは特にありませんし、もし仮に息子が一生暮らしていけるだけのお金をのこすことができたとしても、衝動性のある息子がいっぺんに使ってしまわないとも限りませんし、詐欺にひっかかって全て失ってしまうかも知れません(そもそもそんなお金はないので無用な心配なのでしょうが)。理想としては息子本人が自分ひとりで困らずに生きていくことなのでしょうが、定型発達の大人にとっても簡単なことではないことが、発達障害グレーゾーンで一見何の問題もない様に見える息子にできるかと思うと、不安を覚えずにはいられません(何故か夫はあまり心配していない様で、腹立たしく思う時もあるのですが、その楽天的な態度に救われている様な気もしています)。

息子のために親としてできるだけのことをしなければ、ソーシャルスキルを身につけさせて、勉強もみてあげて、自己理解を深めさせて、うつになったらどこに相談するか分かる様にして、カウンセリングは何を選べばいいか教えて、、、という様なことを考えれば考えるほど、とても自分ひとりでは無理だと思う様になりました。いつか息子が困ったときに、その時にはもう時代遅れで役に立たなくなっているかも知れませんが、生きるヒントを見つける手がかりになればと思い、母が経験したこと、知っていること、思ったことなどを、このブログに書き留めておこうと思います。